池のある庭のタイポロジー

松代のまちでは、湧水が多く点在し、敷地をまたいで水路が街中に張り巡らされています。そのため、松代にある住居の庭園には池があることが多く、そこでは、鯉やザリガニやヤマメを放ったり、暑い日には散水をしたり、農業用水に用いたり、水質が良かった時代には洗濯や洗面などの生活用水としても用いられていたようです。現在では、水路・池・河川は道路建設や住宅開発によって、徐々に埋め戻され暗渠化され、水の循環が失われつつあります。池のある庭の風景を、航空写真から家・庭・池の配置の関係をリサーチし、類型化しようと試みました。暮らしと自然環境とここに住まう人たちの関係に根ざした「関係」が、境界の観察から見えてきました。
(図版:田中優衣・松野真翔/2021夏インターン)

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