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お施主さんである「真鶴出版」のおふたりは、ゲストを連れて真鶴のことを紹介するまち歩きを3年間続けています。このプロジェクトは、カタログから素材を選ぶのではなく、このまち歩きを通じて真鶴半島に存在する色々な素材の採集ができないかと考えました。
例えば、海のそばにある干物屋さんに相談し、漁師さんから壊れたイカリを譲っていただきました。それを真鶴に住む鉄のアーティストに加工してもらい、扉の取っ手となっています。また、半島の付け根あたりにある郵便局からアルミサッシを譲り受け、道との境界に大きな借景窓としてしつらえています。他にも、亜熱帯的な気候が育てた巨大なサボテンの肉片を拾ってきて、軒先でじっくりと育てていたりなど、事物の由来はさまざまです。
半島内に散らばるいろいろな質感を、人の手やネットワークを介して予定不調和に集合させてみることで、真鶴の民芸のような建築をつくれないかと試みています。
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真鶴出版2号店