下高井戸にある北海道中川町のアンテナショップ







中川町の森を歩く中で、「キツツキが虫を捕食するために開けられた穴が森の生態系において欠かせない」という話を聞いた。個体数が少ないながらも生態系へ大きな影響を与えるキーストーン種の振る舞いが、森の様々な動植物に連鎖していく現象。その現象のように、中川町のアンテナショップも、いわゆるお店っぽいものではなく、小さいながらも下高井戸の日常の中に溶け込んでいける場になれないか考えた。下高井戸も見た目は違えど、森の生態系のように様々な異なる建物や年齢層、人々が混じり合っている。町の看板や中川の魅力を伝える商品、工芸品を引き受ける屏風のような建具が、中川が下高井戸へ手紙をしたためるような対話の媒体となることを願っている。
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建築・監理冨永美保 + 林恭正
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施工森のディレクション:Hidakuma
黒田 晃佑・門井 慈子
改修施工:roovice
製作:田中建築、小倉鉄工、谷本建具、飛騨職人生活、トキワランバテック、西野製材所、TIME&STYLE(順不同)
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写真三嶋 一路