<ON GOING>真鶴出版2号店

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神奈川県足柄下郡真鶴町で進行中のプロジェクト
真鶴は日本有数の採石場であり、漁場でもあり、都心からのアクセスも良い一方で、湯河原や熱海と違い温泉は出ず、利用できる水資源にも限りがある。その地質的・地形的・地政的なユニークさは、観光地やリゾートになりきれない半端さをもたらしている。それゆえこの町の人々は、暮らしの中に既にある環境の「質」について真剣に考えた経験があり、そうしてつくられた「美の基準」を含むまちづくり条例は、親密なスケールや景観の維持に寄与している。
それから四半世紀が経った真鶴で、背戸道に面する民家を改修し、宿とキオスクを計画するプロジェクトである。「旅と移住の間」をコンセプトとする宿は、観光目的の短期滞在だけでなく、移住を検討している人の中長期的な受け皿となることも想定されている。総務省によって過疎地域に指定された真鶴町では、移住を希望する人がアクセスできる窓口の需要が高まっている。
キオスクへの買い物客、1泊2日の観光客、1ヶ月滞在する移住希望者、長くこの地で暮らす周辺住民といった、多様な時間感覚が重なるこの場所において、建築が持つべき質は何か。建築とランドスケープを一体的に設計することを通して、ひと繋がりであり多重心的である場をつくることが、心地よい距離感を生むと考えた。
真鶴の漁師は、半島の先端にある森を大切に育てている。森と海は繋がっており、その存在が漁場を支えているからである。宿もまた、地域資源とのネットワークのなかで成立している。町を育てるような建築的思考が必要である。
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*西側立面_IMG_8753
*南側俯瞰
*東側立面_IMG_8753
*北側俯瞰_IMG_8753

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